"米軍基地の給料は低すぎるから、まともな人は誰も来ない"とよく言われます。
私もいまだに年収400万円です。
昇給も微々たるものです。
今回は米軍基地の給料事情を語っていきます。
米軍基地従業員の給料は、額面だけでは確かに低いです。
ただ、福利厚生を考慮すると、そこまで悪くない職場です。
仕事に求めるのは、何もお金だけではありませんからね。
もくじ
米軍基地の給料事情
将来もらえる給料がすぐわかる
参照:LMOホームページ募集パンフレットよりhttps://www.lmo.go.jp/recruitment/index3.html
米軍基地の従業員には、公務員のような基本給表というものがあります。
職種の等級と号俸ごとにもらえる給料が詳しく書いてあるのです。
- 事務・技術系は基本給表1
- 技能・労務系は基本給表2
- 警備・消防系は基本給表3
例えば、上記の"クレーン運転手"の場合、技能・労務系の6等級9号俸ですので、2-6-9という呼び方になります。
"警備員"の場合、警備・消防系ですので、3-2-5となります。
どの仕事も給料はそこまで高いわけではありませんね。
米軍基地の大半の従業員は、現場職の作業員です。
頑張っても、スタートの基本給は20万円前後です。
毎年の昇給額は基本給表に記載されてますから、将来設計はとても簡単です。
同時に、将来の給料の低さに落胆する可能性も高いです。
5年働いても、基本給はこれだけしか増えないのか…となります。
事務職の一部は給料が高いけど…
給料の低い米軍基地ですが、事務職の給料は高いです。
中でも事務職の5等級以上になると、基本給は跳ね上がります。
例えば、上記の画像にある事務系の"予算分析職"は基本給が25万800円~となっています。
さらに基本給には地域手当も加算されます。
地域手当が10%の地域では、基本給は約27万5000円になります。
昇給も毎年7000円ほど上がります。
決して悪くはない給料だと思います。
ただし、このようなポディションに着けるのはごく一部の優秀な人のみです。
- 英語力
- マネジメントスキル
- 営業力(根回し、コネも立派なスキル)
- 専門知識
- 職務経験
とにかく高い能力が求められます。
正直、これだけの能力があれば、外部の民間企業でも十分やっていけます。
にもかかわらず、なぜベースの仕事を選ぶのでしょうか。
おそらくは、本人が給料よりも時間を重視しているからだと思います。
大半の人は、まずつくことができない枠です。
スキルや経験がない人はなおさらです。
高給のポディションは、幻の雇用枠程度に思ってください。
美味しいポジションは空きがでない
加えて、席数の問題もあります。
米軍基地の仕事は本人が希望しない限り移動がありません。
一度席が埋まってしまえば、本人が辞めない限り新しい人は入れないのです。
そして、美味しい仕事というのは、基本的に空きが出ません。
同じ仕事に何十年も居座る人は普通に存在します。
人間、居心地がよくなれば変化を拒みますからね。
働きやすい職場の求人はなかなか出ません。
仮に出たとしても、米軍基地内、さらには同じ部隊内での厳しいポディション争奪戦が始まります。
そこに外部の人間が応募をしても、なかなか太刀打ちはできないでしょう。
採用側としても、業務内容をある程度理解している基地内部の人間を好みます。
業務内容を何も知らない外部の人間が受かる可能性は低いでしょう。
ベースで働く人の背景
そもそも、"高給"を求めていない
ベースで働いている人は、民間企業から避難してきた人が多いです。
今でも劣悪な労働環境の会社はたくさんありますからね。
- 有給や長期休暇が取得できない
- 残業代や休日出勤代を払わない
- 子育てに対して理解が無い
- 営業ノルマがキツイ
- 基本給が上がらない
- ボーナスが無い
どの従業員も、何かしらの辛い過去を持っています。
私自身もその一人です。
「普通」に働きたいだけの「普通」は普通ではなかった
仕事そのものには、よいも悪いもありません。
単純に本人が何を求めるかで、ブラックにもホワイトにもなります。
うまくマッチングすればホワイトですし、ミスマッチならブラックです。
ちなみに、新卒でベースで働き始める人も存在します。
それが技能訓練生という艦船修理を担当する人たちです。
【米軍基地】 技能訓練生がおすすめできない理由
もちろん、仕事に慣れてこれば、給料は上がってほしいと誰もが思うものです。
ただ、それでノルマや有休がとりづらくなる等のストレスが増えれば本末転倒です。
福利厚生や手当だけは充実している
確かにベースの給料は低いです。
どうやっても優秀な大手には敵いません。
参照:LMOホームページ募集パンフレットよりhttps://www.lmo.go.jp/recruitment/index3.html
しかし、福利厚生と手当だけは充実しています。
- 有給は1年で20日間の全消化が当たり前
- ボーナスは夏冬合わせて4か月分以上
- 微々たる額だが、毎年基本給が昇給(3000円~6000円程度)
- 雇用先はつぶれない
- サービス残業が無い(残業もほぼ無い)
- 家賃手当は2万8000円まで支給
中途半端に見せかけの給料だけ高くする企業より、よっぽど恵まれています。
制度はあっても、実際には使えない会社が世の中には山ほどありますからね。
労働者はそれだけで大きな財産を捨てていることになります。
ベース従業員が高給取りになる現実的な方法
ただ、それでもお金は欲しいものです。
仕事はあくまでもお金を得るための手段ですからね。
副業
ベースは副業がしやすいのが最大の魅力です。
待遇は公務員なみですが、身分は公務員ではありませんからね。
実際、私の周りでも副業をやっている人はたくさんいます。
- サービス業や運送業といったアルバイト
- 同じベース内の違う職場で働く
- 転売やYoutube
もちろん、等級を上げるトランスファーもありです。
そのためには資格や経験が必要です。
しかし、上位のポディションになると、仕事に必要なスキルと給料の費用対効果が悪くなります。
ですから、副業は大変お勧めです。
そして、副業はアルバイトのような単純作業ではなく、自身でお金を生み出すクリエイター系の仕事がおすすめです。
アルバイトでは短期的にはお金は増えるかもしれませんが、いつまでも同じことの繰り返しです。
これでは将来性がありません。
最低限の生活は、既にベースの仕事で保障されています。
ですから、副業では自分の本当にやりたいことに挑戦するのがおすすめです。
民間企業に行っても、給料は簡単には変わらない
民間企業に行くという選択肢もアリだとは思います。
ベースの給料は確かに安いですからね。
ただ、民間企業はそんなに給料をもらえているのでしょうか?
学生時代に努力した人や、社会人になって必死に頑張った人ならわかります。
しかし、何の努力もしていない人は、厳しい現実が待っているだけです。
引用:国税庁令和3年分民間給与実態統計調査https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf
- 30代男性平均年収:502万円(中央値291万円)
- 30代女性平均年収:322万円(中央値239万円)
平均値と中央値がかなり離れています。
実態に近いのは中央値です。
平均値は死ぬ気で努力した人の給料と思ってください。
転職サイトや転職エージェントで紹介されるような極端な年収アップは、まず不可能です。
彼らは企業からお金をもらって求人や仲介業務をするのが仕事です。
大切なのはいかに相手を就職させて、企業から紹介料マージンをもらえるかです。
一発逆転系のエピソードは、基本詐欺だと思ってください。
正直、これでは福利厚生を考慮してもベースの給料と大して変わりません。
私でさえ、副業と残業を頑張れば500万くらいは届きますからね。
まとめ
米軍基地従業員の給料事情を解説しました。
ベースの給料は額面だけ見れば安く感じるかもしれません。
ただ、お金以外の面では働きやすい職場だと思います。
民間の平均や中央値と比較しても、そこまで低いわけではありません。
そこまで嘆くような職場ではないのです。