お金・仕事 失敗談

800万円を詐欺られたエクシアについて語る

エクシア合同会社というものがあります。

500億円超もの巨大詐欺事件を起こした会社です。

簡単に言えばポンジスキームをやっていました。

高額な利回りをうたい、そのまま出資者の資金を持ち逃げしてしまった事件です。

過去には裁判が何度も開かれており、刑事事件としての署名運動も一部では行われています。

かくいう私もエクシアに出資をしていて、大切な800万円を盗まれてしまいました。

今回はエクシア合同会社について個人的に思うことを語っていきます。

あくまで個人の感想ですので、正確な情報等ではありません。

結論からいえば、私自身はエクシアに対して復讐や報復といったことは考えていません。

そんなことをしても、お金は戻ってこないとわかっているからです。

詐欺師の思うつぼかもしれませんが、それが社会の現実です。

過去は受け入れ、前を見て進んでいくしかありません。

お金は十中八九返ってこない

まず、お金はどうやっても戻ってはきません。

投資詐欺は立証が難しいですし、そもそもない袖は振れませんからね。

弁護士という頼みの綱

詐欺を自覚した当時は何とか方法はないかといろいろ考えました。

真っ先に思いついたのは弁護士でした。

ただ、個人で弁護士と契約すると、数十万から数百万はかかります。

これではお金を取り戻す以前に大金が必要になってしまいます。

そんなときに見つけたのが集団訴訟です。

集団訴訟なら個人契約よりは安く済ませられますからね。

しかし、実際に弁護士が動くことはありませんでした。

「依頼殺到につき、しばらくお時間をいただきます」の文章だけが届きました。

ちゃっかり個人契約や借金返済お助けの宣伝はされてましたけどね。

当たり前のことですが、弁護士はビジネスであって、慈善家ではありません。

弁護士や医者を目指すのはお金目的です。

正義や道徳もあるでしょうが、きれいごとだけでは食べていけないのです。

  • 資金を回収できる見込みはあるか
  • 失敗して弁護士事務所の評判を落とす危険性
  • 業務量に対して報酬は割ににあっているか
  • 競合のライバル弁護士事務所に勝てるのか

エクシアの件は被害者があまりにも多い問題でした。

今でも集団訴訟のホームページには被害が更新され続けていますからね。

刑事告訴に向けた運動もされています。

(もっとも、証拠は本人しかわかりませんので、事実確認が必要ですが)

ですから、弁護士も下手に動くわけにはいきません。

最悪の場合、資金を回収できないどころか、弁護士事務所の看板も傷つけてしまいます。

被害者は藁にもすがる思いで弁護士を頼っています

「資金は回収できませんでしたが、着手金は全額いただきます」では納得しないのです。

ですので、当然そんなリスクのある仕事を引き受けるわけにはいきません。

割に合わない約束は引き受けないのがビジネスです。

そこに感情を入れてはいけません。

ちなみに、私は弁護士紹介詐欺を何度も受けました。

「私に相談してくれれば、弁護士の知り合いを紹介するけど?」というやつです。

紹介するだけで紹介者は手数料、弁護士は相談料や着手金を得られます。

お金を取り戻せるかどうかは関係ありません。

要は被害者心理を利用した着手金詐欺ですね。

無い袖は振れない

さらに問題点として、無い袖は振れないということです。

お金が残っていない以上、返済のしようがありませんからね。

自己破産や海外逃亡の可能性もあるでしょう。

エクシアに対しては何度も裁判が開かれています。

その度にエクシアは負けているみたいです。

というより、そもそも法廷にすら出てきていないみたいです。

ただ、裁判に勝つこととお金が戻ってくることは全くの別問題です。

被害者が欲しいのはお金であって、裁判の結果ではありません。

いくら裁判に勝っても、お金が戻ってこなければ意味がありませんからね。

エクシアが500億円もの大金を用意できるのでしょうか?

それができるなら、しっかり出資者に説明をしますよね。

お金が手元にない以上、どんなに裁判をしたところで徒労に終わるでしょう。

詐欺師に報復したい、復讐したい、罪を償わせたい気持ちは痛いほどわかります。

私だって800万円は返してもらいたいです。

詐欺師は本当に許せません。

でも、それをしても何の解決にならないのも事実です。

必要なのはお金であって、憂さ晴らしではありませんからね。

いずれ忘れ去られる存在

500億円というのは大金かもしれませんが、社会から見ればよくあるニュースです。

べつに脱税をしたわけでもありませんから、国も動きません。

「おなじみの詐欺ニュースだな」と思われる程度です。

2、3年もすれば忘れ去られてしまうでしょう。

味をしめた詐欺師も、何事もなかったかのように表舞台に戻ってくることでしょう。

出資していた人は気の毒かもしれませんが、これが社会の現実です。

仮に詐欺事件が有名になったとしても、"欲に目がくらんだ投資家が痛い思いをした"程度に思われるだけです。

投資は自己責任という都合のいい言葉がありますからね。

投資は確かに必要です。

これからの時代、労働収入だけでは苦しくなるのは明らかです。

普通預金だけにする時代はとっくに終わっています。

ただ、失敗しても誰も責任は取りません。

たとえ詐欺だったとしても、「見極められなかったあなたが悪い」で片づけられます。

金さえあれば詐欺師でも"権威者"になれる

エクシアに騙されたのは、権威者としての振る舞いが上手だったからです。

魅力的にみせる力に本当に長けていたと思います。

豪華な本社ビルでのレセプションパーティー

Business team enjoying small talk and food during after work banquet at modern office

エクシアの本社は六本木の巨大ビルにありました。

そこでは定期的にレセプションパーティーが行われ、私も二回ほど参加していました。

要するに出資者同士の交流会ですね。

会社の実態を確かめるため、わざわざ遠方から参加された方もいるでしょう。

本社はとても広くて豪華な作りでした。

  • 巨大な市場チャートモニター
  • 見るからに高級そうな家具
  • バー付きのカウンター
  • ガラス張りの小会議室

当時はどれも本当に興奮しました。

参加者は個人の投資家、若い20代、お金のあるお年寄り、子連れの親子と様々です。

普段は縁のない世界ですから、とても貴重な経験でした。

ただ、今思えば全部やらせの詐欺演出だったのかもしれませんけどね。

巨大ビルとはいえ、家賃を払えば誰でも借りられるレンタルオフィスですからね。

もしかしたら参加者も、一部は詐欺師だったのかもしれません。

ネットワークビジネスのセミナーでは、参加者と詐欺師がグルになって会場を盛り上げるのは常套手段ですからね。

たとえ怪しいと思っても、その場の雰囲気にのまれてしまうのが人間というものです。

エクシアのパーティーでも、同様のことが起きていたはずです。

参加された方なら、痛いほどこの気持ちがわかると思います。

ネットワークビジネス経験談、騙された理由

多彩な宣伝活動

エクシアと言えば、様々な宣伝活動も有名でした。

巨大なオフィス以外にもいろいろありましたからね。

  • 山手線のビデオ広告
  • 渋谷や六本木に巨大な看板広告
  • 書籍の出版
  • 関西コレクションのスポンサー
  • 著名な弁護士がバックにいる
  • 個人ブログやSNSでの発信活動

しっかりした会社なのかなと私も思っていました。

この権威があるように見えるというのがやっかいです。

"大丈夫に違いない"と錯覚してしまうからです。

広告枠や書籍も、結局は弁護士と同じでビジネスです。

すごそうに見えますが、お金さえあれば誰でも依頼できるのです。

ビジネスパートナーにとって大切なのはお金であって、相手の身分ではありませんからね。

仮に問題になったところで、悪いのは全面的に相手とすれば、逃げることもできます。

もちろん、イメージダウンにはつながりますから、契約は打ち切りですけどね。

芸能人や俳優が不祥事を起こせば、スポンサーが離れるのと同じです。

会社にとってビジネスの代わりはいくらでもいますから問題はありません。

詐欺師は今も悠々自適

パーティーではエクシアの社員ともお話をしました。

トレーダーだけでなく、広報や顧客対応、受付係なんてものもありましたからね。

本当にいろいろな人がエクシアに関わっていました。

  • エクシアの魅力について熱く語っていた年配の男性
  • 事業計画についてスピーチをしていた若い女性
  • スマホのメモを見ながらおどおど話していた若い男性

中にはエクシアの可能性を本気で信じて活動していた人もいるでしょう。

ただ、社員である以上は自覚なき共犯者ですね。

そんな彼らがどうなったかは知る由もありません。

特にお咎めもなく、今も悠々自適に暮らされていることでしょう。

「悪いのは上層部であって、自分たちは知らなかった」と言い張るでしょう。

実際、彼ら自身も騙されたのかもしれません。

ただ、それは被害者には関係のない話なんですけどね。

エクシアから何を学んだか

連絡先は音信不通、評価額は0にされる、ホームページには嘘の情報…

もうエクシアは存在しない会社のようなものです。

ただ、少しでも学びがあったのであれば、それは次の機会に活かすべきです。

心を強く持つこと

エクシアに巻き込まれた人は、本当に辛い経験をされたでしょう。

被害者にしかわからない苦しみがありますからね。

詐欺師は悠々自適に暮らしていて、被害者は何の救済もされません。

仮に逮捕されても、経済犯罪は軽い刑罰で済まされるのが日本の法律です。

実質、"詐欺はやったもの勝ち"になっていますからね。

真面目に働くことに絶望して、犯罪の道に走ってしまう人もいるかもしれません。

自殺をしてしまった人もいるかもしれません。

鬱になってしまった人もいるでしょう。

実際、私もかなりショックでした。

800万というお金は私の年収が高いから用意できたわけではありません。

学生時代からコツコツ貯めたお金や、家族が残してくれたお金があったからです。

実際の私は年収400万円の普通の労働者です。

ただ、それでも生きていかなくてはいけません。

過去を嘆いても、失ったものは戻ってはきません。

お金は失いましたが、希望まで失う必要はありません。

投資で1300万損失!人生どん底でも絶望しない理由

失敗は必ず次に活かす

エクシアに出資していた人たちは浅はかだったのでしょうか?

よく考えないで投資をしていた愚か者だったのでしょうか?

  • どう考えてもポンジスキーム
  • 利回りが怪しすぎる
  • 代表者が怪しすぎる
  • 欲を見るから失敗する

結果論ではありますが、いろいろなことが言われていますからね。

多くはエクシアに関わっていなかった第三者の言葉です。

本当に悔しいと思います。

出資者は投資に向き合って、真剣に将来について考えていた人ばかりです。

決して、楽をしようとして出資していたわけではありません。

詐欺が減らないのは、誰でも騙される可能性があるからです。

どんな博識者やプロでも、騙されるときはあります。

失敗できるのは、行動した人だけです。

行動すらできない人に何かを言われる筋合いはありません。

ただ、失敗を失敗のままにしていると、それは無駄になってしまいます。

数百万や数千万の失敗が辛い記憶として残るだけです。

ですので、必ず次の経験に活かすようにしてください。

人は成功した時よりも、失敗した時のほうが成長します。

「もう投資なんて絶対やらない」ではあまりにももったいないですからね。

いつか「あの時の失敗があったから、今の成功がある」なんて胸を張って言いたいものです。

そのために必要なのは、過去を嘆くことではありません。

未来に向けて行動することですね。

まとめ

エクシアからお金を取り戻すことは、ほぼできないと思った方がいいでしょう。

悔しいかもしれませんが、これが社会の現実です。

エクシアは会社を魅力的にみせる手法に長けていたと思います。

だからこそ多くの人が騙されたのです。

過去の失敗は受け入れるしかありません。

失敗は恥ずかしいことでも何でもありません。

大切なのは、過去にこだわることではなく、立ち直って未来に何をするかですからね。

-お金・仕事, 失敗談
-, ,

© 2024 どん底無双 Powered by AFFINGER5